梅雨の時期、飛行機は揺れます!揺れます!


 梅雨。
 暑く、ジメジメする時期。
 外出するだけでも嫌になる。
 実はこの時期、飛行機に乗るのも怖い時期でもある。
 というのも、梅雨の時期は飛行機が揺れるからだ。

 機長は気象レーダーを解析し、雷雲や雨雲などを避けながら、安全で揺れの少ないルートを選んでいる。

 しかし、梅雨の時期はどうしても離陸時や着陸時に、雨雲に突っ込まなけばならないことがある。
 その結果、揺れてしまう。

 満腹時や空腹時に、この「揺れ」を体験してしまうと、「もう二度と飛行機に乗りたくない」と思ってしまう方も出てきてしまうだろう。


 平成20年3月28日に作成された航空事故調査報告書を見ると、揺れと梅雨前線の様子がよくわかる。

 まず、事案についてみてみよう。
 全日本空輸株式会社所属ボーイング式747-400型JA402Aは、平成19年7月12日(木)、同社の定期126便として、那覇空港を12時59分に離陸。東京国際空港へ向けて巡航中、14時26分ごろ、御前崎の南約100kmの海上上空、FL390において、機体が動揺し、ギャレー内にいた客室乗務員1名が転倒し、右肋骨を折る重傷を負った。同機には、機長ほか乗務員13名、乗客513名計527名が搭乗していた。航空機の損壊はなかった。


 次に、当時の天候についてだ。
 同機の運航に影響を及ぼした空域の気象状態は、太平洋高気圧の西側縁辺流が台風4号により強化され、南からの温暖で湿潤な風が梅雨前線の南側に吹き込み、不安定な状態となって積乱雲群が広がっていた。衛星雲画像によると、白く輝いた団塊状の対流雲として写っていた。これらの積乱雲は、その縁が明瞭に確認できる事から成熟期にあったものと推定される。
 また、本事故の発生地点はこの積乱雲群の南側縁辺部付近であり、DFDR記録からも西よりの風が南西の風へ変化し風速も30kt以上強くなり、気温も急上昇していたことから、同機が梅雨前線の南側で発達した積乱雲群による大気の擾乱の影響を受けたものと推定される。


 揺れには軽いものから、激しいものまである。
 いつ揺れるかもわからない。
 揺れるとわかっていても、上記のような事案が発生してしまう。

 そのため、個人的に実践していることがある。簡単なことなので、もしであれば実践していただきたい。

実践1 トイレは早めに行く
シートベルト着用サインが出た後、着陸までサインが出っぱなしの可能性もある。そのため、早め早めにトイレへ行くようにしている。

実践2 お腹いっぱいにならない
空腹も良くないが、満腹の状態で乱気流に巻き込まれると、悲惨なことになる。梅雨の時期は満腹な状態で飛行機に乗らないようにしている。

実践3 シートベルトをする
いつ揺れるかわからないため、着席時は必ずシートベルトをする。これは当たり前かもしれないが、意外とやっていない人が多い。
危険なので着席時はシートベルトをしていただきたい。


 たとえ大きく揺れたとしても、墜落することはない。
 しかし怖いのは怖い。
 たとえ揺れたとしても、ジェットコースターに乗ったような気分で乗り切るしかないと思う。