こどもの日は子供のための日ではなかった!


 「こどもの日」は、国民の祝日の一つで、端午の節句である5月5日となっている。1948年7月20日の祝日法の公布及び即日施行により制定され、ゴールデンウィークを構成する日の一つになった。
 なお、「世界こどもの日」もあり、1954年には国連総会により「11月20日」を世界こどもの日(Universal Children's Day)と制定している。

 日本の「こどもの日」についてだが、子供のための祝日かというと実際はそうではない。
 「国民の祝日に関する法律」第2条に祝日の定義が規定されているので、調べてみた。

国民の祝日に関する法律
第1条
自由と平和を求めてやまない日本国民は、美しい風習を育てつつ、よりよき社会、より豊かな生活を築きあげるために、ここに国民こぞつて祝い、感謝し、又は記念する日を定め、これを「国民の祝日」と名づける。
第2条
こどもの日 五月五日 こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する。

 まず、国民の祝日についてだが、第1条によると、「国民こぞつて祝い、感謝し、又は記念する日」として国民の祝日としている。
 次に、こどもの日の目的についてだが、「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する。」ために、制定されている。

 すなわち、①こどもの幸福をはかり、②母に感謝する。これがこどもの日である。子供のための日ではないのだ。
 母の日は、日頃の母の苦労をねぎらい、母への感謝を表す日として、毎年第2日曜日に行われる。こどもの日の趣旨から考えると、母の日だけ母に感謝をするのではなく、こどもの日も母に感謝するべきである。

 しかし、ここで疑問が。
 父には感謝しなくてもよいのか。
 1948年7月20日に施行された法律なので、当時と現在とでは、状況は異なる。母子家庭もあれば父子家庭もある。様々な家族の形態がある。
 法律上は「母に感謝する」となっているが、ここは「親に感謝する」と読み替え、親に感謝する日にしよう