ガラパゴス化するクレジットカード事情


クレジットカードのガラパゴス

 ガラパゴス化。日本製品の特徴である。
 ちなみにWikipediaによると、ガラパゴス化とは、孤立した環境で製品やサービスの最適化が著しく進行すると、外部の製品との互換性を失い孤立して取り残されるだけでなく、適応性と生存能力の高い製品や技術が外部から導入されると、最終的に淘汰される危険に陥る状態のことと定義されている。

 日本のクレジットカードは、ガラパゴス化の状態ではないかと日頃感じることがある。
 例えば、QUICPayやEdyなどは日本固有のタッチ決済であり国内の至る所で利用できる。しかし、海外ではカードブランドのタッチ決済がメジャーである。
 近年、VisaタッチやMastercardのコンタクトレス決済が可能な店舗が増えてきている。このままカードブランドのタッチ決済が増えると、QUICPayなどの国内タッチ決済は淘汰されてしまう可能性がある。

プレミアムカードもガラパゴス

 年会費が高額なクレジットカードもガラパゴス化している。
 例えば、ダイナースクラブカードやラグジュアリーカードだ。
 プレミアムカードの代表であり、富裕層に好まれているクレジットカードである。クレジットカード会社もまたステータスカードを謳い文句に勧誘をしている。
 一方で、海外では、ダイナースクラブカードはマイナーなクレジットカードであり、発行すらしていない国もある。また、ラグジュアリーカードは米国では人気のないクレジットカードであり評判も良くない。

どうしてガラパゴス化するのか?

 ガラパゴス化しやすい要因としては、日本人特有の「高価なものほど良い」という固定概念があるのではないかと考える。
 高価であれば良いものだという考えがあるから、ダイナースクラブカードやラグジュアリーカードが流行るのかもしれない。
 一方で、海外ではコスパが良いもの、実用性のあるものに重きが置かれるため、少しでも価値がないとわかると捨て去られてしまう。
 その点、ダイナースクラブカードやラグジュアリーカードは特典やサービスの点で課題があるのだろう。
 日本人も見栄ではなく実利で商品を選択していただきたい。