ゴールドカードの位置付けと今後のトレンド予想

【出典】クレディセゾン

ゴールドカードの無料化

 各クレジットカード会社では、一般カード、ゴールドカード、プラチナカードといったように、付帯サービスによって年会費の異なるクレジットカードを発行している。
 その中で、トレンドなのが、ゴールドカードの年会費無料化だ。
 例えば、クレディセゾンでは、セゾンゴールドやセゾンゴールド・アメックスで年会費無料キャンペーンを開催し、三井住友カードでも年間決済額によっては三井住友ゴールド(NL)の年会費が無料になるキャンペーンを開催している。

 このゴールドカード無料化の背景には、新型コロナウイルス感染拡大の長期化による影響があるのではと考える。
 旅行の機会や外食の機会などが減り、消費者は付帯サービスの充実より年会費の安さを重視してクレジットカードを選ぶ傾向にあるのかもしれない。
 クレジットカード会社にとっては、会員数の減少は、収入の減少につながる。そのため、たとえ年会費を得られなくても、会員数維持のため、ゴールドカードを無料とすることはやむを得ない方策なのかもしれない。

 また、ゴールドカード保有者の中には、新型コロナウイルスの終息後、プラチナカードなどのステータスカードへ切り替える方も一定数いる。高額な年会費を負担できる会員を早いうちに囲い込んでおくことも目的にあるのではないかと考える。



ゴールドカードの位置付けは?

 格安プラチナカードの流行により、ゴールドカードの位置付けが微妙になりつつあった。
 今回のゴールドカードの無料化により、今度は一般カードとゴールドカードの棲み分けが微妙になった。
 一方で、そもそも、年会費や付帯サービスの違いでクレジットカードを別にする必要性自体に疑問を感じてしまう。
 個人的には年会費無料のクレジットカードに、顧客が付帯サービスをトッピングし、その分、年会費が上乗せされていくプランの方がわかりやすい気がする。
 例えば、ベースは年会費無料、そこに国内旅行・海外旅行保険を追加して+1万円、さらにプライオリティパスを追加して+1万円、さらにコンシェルジュサービスを追加して+5,000円といったものだ。



2022年の新カード予想

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、社会全体が「自粛」というムードが漂っている。この自粛のムードの影響で、2022年は「ムダを省く」というのがトレンドになるのではと考える。
 「ムダを省く」観点からも、トッピング型クレジットカードはヒット商品の予感がする。
 2022年に面白いクレジットカードが登場するのを期待する。