決済手段として日々使われている、クレジットカード。
クレオタと呼ばれるクレジットカード愛好家の間では、収集の対象にもなっている。
各発行会社は、顧客拡大のため、様々なデザインのクレジットカードを発行している。しかし、サイズはなぜかどれも同じである。
なぜだ?
どデカいクレジットカードもあってもいいのではないか。
疑問に思った。
そこで、NHKのチコちゃんに聞かず、自分で調べてみることにした。
1 国際規格がある
調べてみると、クレジットカードには国際規格があった。
身分証明書カードには4つの国際規格「ISO/IEC7810」がある。「ID-1」「ID-2」「ID-3」「ID-000」だ。
このうちクレジットカードの国際規格には、「ID-1」が採用されている。
国際規格「ID-1」は、縦53.98mm、横85.60mm、厚み0.76mmで、どのクレジットカードもこのサイズになっている。この縦と横の比率は、1:1.618の「黄金比」と呼ばれる比率に近くなっているという。
黄金比は太古から人の心を魅了してきた。ゆえに、クレジットカード愛好家を生んだのかもしれない。
2 国内の製造会社は数社しかない
VisaやMasterCardなどの国際ブランドのクレジットカードを製造するには、各ブランドからカード製造メーカーとしての認定を受ける必要がある。
調べたところ、国内で認定を受けている会社は、DNP、凸版印刷、共同印刷、NATEC、共同印刷、昌栄印刷であった。他にも認定を受けている会社はあるかもしれない。
なお、DNPがトップシェアを占めている。
例えば、大手クレジットカード会社の三菱UFJニコスや三井住友カードは、DNPが製造している。
DNPについてだが、大日本印刷株式会社の略称である。国内印刷業界2強(凸版印刷と大日本印刷)の一角であり、東京証券取引所一部に上場している。コンセプトワードは、「P&IソリューションDNP」。
創業以来の印刷技術と情報技術を強みとして、情報産業、生活産業、エレクトロニクス分野、環境分野、エネルギー分野、ライフサイエンス分野にも進出している。個人的には、この会社は何の会社なのかよくわからなくなっている。
3 素材は硬質塩化ビニールやPET-Gが多い
クレジットカードの素材は、アメックスプラチナ等の一部を除いて、硬質塩化ビニールやPET-Gが多い。
硬質塩化ビニールもPET-Gも強度はある。一方で、紫外線に弱い性質がある。
クレジットカードを日向ぼっこさせないようにしよう。
4 Hi-Coカードである
クレジットカードは紫外線以外にも弱点がある。
磁気だ。
磁気不良をいかに減らすか。製造メーカーは考えた。
研究を重ねた結果、生み出されたのが「Hi-Co」だ。Hi-CoとはHigh Coercivityの略。
クレジットカードの磁気テープは、粉末状の磁性体を塗布・蒸着したフィルムをプラスチックカードに貼り付けて加工している。
磁気は身近にたくさん存在する。パソコン、スマホ、テレビなどは強い磁気を発すると言われる。
日常生活で磁気の影響を受けにくい「高抗磁力」カードの必要性が高まっていることから、2750エルステッドのカードを製造している(エルステッドは磁力の単位)。
ネット上ではクレジットカードのデザインについての投稿が多い。今回は、あえて素材について迫ってみた。
なお、筆者はカーボン製のクレジットカードがほしい。